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朝、BRZのエンジンをかけようとしたら——セルが回らない。
「今日もサウナの日なのに!(笑)」
……この書き出し、前回のバッテリー交換記事とまったく同じであります。ただし今回は状況が違う。沈黙したのは、使用年数不明の老兵カオスではなく、交換してわずか半年の新品アクアドリームなのです。
「え、新品なのに? 安物だったから?」——結論から言うと、バッテリーは無罪でした。犯人はETC。この記事では、
- 新品バッテリーでも上がる理由(「寿命」と「バッテリー上がり」は別物)
- 暗電流をテスターで実測する方法と、ウチの衝撃の数値(110mA)
- 犯人の特定から対処までの顛末
を実体験ベースでまとめます。「新品なのにすぐ上がる」で頭を抱えている方の参考になれば幸いであります。
なお、その日のサウナは別の車で行きました。そこは譲れない(笑)。
前回と今回は別物:「寿命」と「バッテリー上がり」
前回のカオスは、要するに寿命による突然死。何年働いたか分からない老兵が静かに息を引き取ったパターンでした。
今回は違います。まだ半年の新品が、ある朝突然の沈黙。じつはこれ「バッテリーが死んだ」のではなく「バッテリーが空にされた」だけ。スマホでいえば本体の故障ではなく、寝ている間に何かのアプリが電池を食い尽くしていた状態であります。
車は駐車中も、コンピューターや時計などのバックアップのために微量の電気を消費し続けています。これが暗電流(待機電流)。正常なら10〜30mA程度とされていて、その範囲なら週1回しか乗らなくても大きな問題は起きにくい。ところが暗電流が何かの理由で膨らむと、新品だろうが高級品だろうが容赦なく空になります。
まずは復旧:パルス充電18時間、ひたすら待つ
原因究明の前に、まず車が動かないと話にならない。ということで購入したのがAUTOWHDの全自動バッテリー充電器(12V/24V対応、パルス充電・修復充電つき)であります。
上がったバッテリーをパルス(修復)充電にかけて、待つこと約18時間。とにかく終わるまで待ちました。長い。長いですが、翌日にはセルが元気に回るところまで復活。上がったのが新品だったのが幸いしたのか、その後の使用にも支障なしであります。
ここでひとつ現実的な問題が。ウチは屋外駐車で、バッテリーを外して室内に運ぶのは正直めんどくさい。そこで防雨型の延長コードを駐車場まで引っ張って、バッテリーを車載のまま充電しました。使ったのはSUCCULの10m・3分岐タイプ。
防雨型とはいえ、雨の日は充電しないルールで運用しています。電気まわりは疑わしきは罰する、であります。
でも何かおかしい:「暗電流」という言葉にたどり着く
復旧はした。でも冷静に考えてみると——交換して半年の新品が、週1回・往復40kmの使い方で上がるものだろうか?
「またバッテリーに厳しい乗り方のせいか」と一度は自分を納得させかけたのですが、調べていくうちに「駐車中も電気は流れている」「暗電流が多いと新品でも上がる」という情報にたどり着きました。もしかして、ウチのBRZは暗電流が多いのでは?
疑いはじめたら、もう測るしかありません。
テスター初挑戦:実測、まさかの110mA
そこで後日購入したのがオーム電機のデジタルテスター TST-KJ830。2,000円弱の普及型です。テスターを触るのは今回が人生初でありましたが、結論から言えば初心者でも測れました。
測り方はこうです。
- エンジンを切り、キーを抜いて車を完全に休ませる
- バッテリーのマイナス端子を外す
- 外した端子とバッテリーのマイナス極の間に、電流測定モードにしたテスターを直列に挟む
- 表示された数値が暗電流
注意点:テスターを挟んだままセルを回すと、大電流でテスターのヒューズが飛びます(最悪壊れます)。ドアの開閉直後は室内灯などで数値が大きく出るので、落ち着いてから読むのがコツ。ショートはバッテリー交換のとき以上に怖いので、不安な方は無理せずプロに任せてください。
で、ウチのBRZの実測結果は——
110mA。
正常値が10〜30mAですから、約4〜10倍であります。ざっくり計算すると110mAは1日あたり約2.6Ah、1週間で約18Ah。週1回・往復40kmの走行充電で取り返せる量ではありません。新品バッテリーが半年で力尽きたのも納得の数字でありました。
犯人捜しはプロに任せた:まさかのETC
暗電流が多いことは分かった。次は「どの機器が食っているのか」の犯人捜しです。
ヒューズを1本ずつ抜いては数値の変化を見る、という地道な作業になるのですが——正直に白状すると、ここは町の自動車整備工場のプロにお任せしました。素人が車の電装を片っ端から触るのはリスクが高いですし、プロは手際よく特定してくれます。餅は餅屋であります。
診断の結果、犯人はETC車載器。
ウチのETCはカードが挿さっていることを音声で知らせるタイプで、エンジンを切った後も働けるように常時電源に接続されていました。それ自体はよくある配線なのですが、本来ごく微量のはずの消費電力が、何らかの理由で大きくなってしまっていたとのこと。ETCとしては使える、でも電気は食い続けている——そんな状態でした。
ネットでは「ETCの常時電源くらいでバッテリーは上がらない」「いや上がる」と意見が割れていますが、ウチの実測が出した答えはこうです。正常なETCなら上がらない。でもETCが不調をきたすと、本当に上がる。
対処:乗らないときは配線を外す → 20mAに激減
対処はいたってシンプル。乗らないときはETCの配線を外して駐車する運用にしました。
配線を外した状態で暗電流を測り直すと——約20mA。正常値ど真ん中、110mAから約8割減であります。
この運用にしてから、バッテリー上がりは一度も再発していません。例のアクアドリームは今日も元気にセルを回してくれています。前回の記事で「1年半ノートラブル」と書いたのは、この事件を乗り越えた上での話——バッテリー自身は最初から最後まで無実だったのであります。
まとめ:「新品なのに上がる」なら暗電流を疑え
同じ症状で悩んでいる方向けに、チェックリストを置いておきます。
- 新品・交換直後のバッテリーなのに上がった → 寿命ではなく放電。暗電流を疑う
- 週1回以下しか乗らない → 暗電流の影響をモロに受ける乗り方
- 後付けの電装品(ETC・ドラレコ・セキュリティ等)がある → 常時電源系はどれも犯人候補
手順は、①充電器で復旧 → ②テスターで暗電流を実測(10〜30mAなら正常)→ ③多ければ犯人捜しはプロへ、が安全でおすすめのルートです。
今回登場した道具は3つ。購入リンクはそれぞれの章に置いてあります。
- AUTOWHD 全自動バッテリー充電器 — パルス充電18時間で上がったバッテリーを救出
- SUCCUL 防雨型延長コード10m — バッテリーを外さず屋外充電
- オーム電機 TST-KJ830 — テスター初心者でも暗電流を測れた
BRZいじり・メンテの記事は他にも書いています。よければどうぞ。


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